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マウスピース矯正とワイヤー矯正はどっち?決める順序と併用の選択肢

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マウスピース矯正とワイヤー矯正のどっちを選ぶべきかで迷い、比較記事を何本も読んだあとで、かえって決めきれなくなることがあります。目立たなさ、費用、期間、痛みと項目は並んでいて、どれももっともらしく見えるのに、それでも自分の場合はどうなのかが分かりません。

決めきれない理由ははっきりしています。多くの比較が、装置の特徴を横に並べるところで終わっているからです。実際の診療で装置が決まるまでには順序があり、その順序を知らないまま特徴だけを見比べても、結論には届きません。

この記事では、特徴の比較そのものよりも、装置の選び方の手順に軸を置きました。装置を決めるまでの順序、検査で決まる部分と本人が決めてよい部分の線引き、そして二択にしなくてよい場合の話をしていきます。装置ごとの詳しい特徴は、当院の別記事にまとめてありますので、必要なところで案内します。

装置を決める前に確かめたい順序

装置は最初に選ぶものではありません。順序としては、精密検査、適応の判定、暮らしとの相性の確認、そして装置の決定という流れになり、装置選びは最後に来ます。

順序が逆になると何が起きるでしょうか。先にマウスピース矯正と決めてから相談に行き、検査の結果、その歯並びでは計画どおりに動かせないと分かる場合があります。逆にワイヤー矯正しかないと思い込んでいた方が、検査をしてみるとどちらでも対応できると分かることもあるでしょう。どちらの場合も、先に装置を決めていたぶんだけ遠回りをしています。

精密検査では、レントゲンや口腔内の記録から、歯を並べるスペースが足りているか、顎の骨格に問題がないか、動かす距離がどれくらいになるかを確認します。マウスピース矯正では、治療前のシミュレーションで歯の動き方の目安をお見せすることも可能です。ここで分かった内容が、選べる装置の範囲を決める土台です。

当院でも、この順序に沿って進めていきます。最初のカウンセリングでは、装置を決めることよりも、何が気になっていて、どこまで治したいのかを伺うことに時間を使います。装置の話が具体的になるのは、精密検査を終えて矯正認定医と相談する段階です。

2つの装置で違う力のかけ方

見た目や費用の違いは結果であって、本質にあるのは力のかけ方の違いです。ワイヤー矯正は固定式の装置で連続的に力をかけ続け、マウスピース矯正は少しずつ形の違うマウスピースを順番に交換して段階的に動かします。

固定式であることの意味は、患者側の管理に左右されないという点にあります。装置は自分で外せませんから、装着時間という概念がそもそも生じません。一方で、装置が見えること、歯磨きが難しくなること、月に1回の調整で通院が必要になることは受け入れる必要があります。

取り外せることの意味は、その裏返しです。食事のときに外せるので飲食の制限はほとんどなく、歯磨きも普段どおりにできます。ただし外している時間が長ければ、歯は計画どおりに動きません。当院では22時間以上の装着を推奨していますが、これは食事と歯磨きの時間以外はほぼ装着しているという前提の数字です。

痛みの感じ方にも傾向の違いがあります。ワイヤー矯正は調整の直後に強めの痛みが出やすく、マウスピース矯正は交換のたびに弱い力がかかる分、痛みが穏やかだと感じる方が多い傾向にあるでしょう。ただし感じ方には個人差が大きく、どちらが痛くないと言い切れるものではありません。

それぞれのメリットとデメリットを装置ごとに詳しく比べたい方は、当院の別記事をあわせてご覧ください。

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検査で決まることと自分で決めてよいこと

迷いが長引く原因は、検査で決まることと、自分で決めてよいことが混ざったまま考えている点にあります。この2つを分けてしまえば、悩む範囲はぐっと狭くなるでしょう。

検査で決まるのは適応です。歯を大きく動かす必要がある症例、抜歯を伴う症例、顎の骨格そのものにずれがある症例では、マウスピース矯正だけでは計画どおりに進まないことがあります。歯を並べるスペースが不足している叢生の程度、動かす歯の本数、噛み合わせの深さといった条件から、対応できる装置の範囲が絞られていきます。ここは希望では動かせません。

本人が決めてよいのは、選好の部分です。仕事で人前に立つ機会が多いかどうか、外食や会食が多いかどうか、装置の管理を自分で続けられそうか、費用と期間のどちらを優先したいかといった条件がここに当てはまります。どちらの装置でも対応できると判断された場合、この部分が決め手になるでしょう。

その中間にあるのが、相談して決める部分です。全体矯正にするか部分矯正にとどめるか、抜歯をするかしないか、治療のゴールをどこに置くかがここに入ります。これらは検査結果だけでも希望だけでも決まりませんから、説明を受けたうえで一緒に決めていきましょう。

当院の費用と通院の目安

判断材料として、当院の実際の金額を挙げます。相場の幅ではなく具体的な数字のほうが、比べるときの助けになるはずです。

マウスピース矯正(インビザライン)は、簡易診査が無料、精密診査が33,000円、基本施術料が363,000円から968,000円、通院ごとの処置料が5,500円です。成人のワイヤー矯正は、相談料が1,100円、資料作成と診断結果が44,000円、基本施術料がメタルワイヤーで990,000円、ホワイトワイヤーで1,045,000円、処置料が5,500円となります。動かす範囲を限った部分矯正であれば、基本施術料は110,000円から440,000円です。掲載している金額はいずれも税込であり、改定される場合もありますので、最新の情報は料金ページでご確認ください。

通院の頻度にも違いがあります。マウスピース矯正は1〜2か月に1回、ワイヤー矯正は月に1回が目安です。マウスピースは複数枚をまとめてお渡しして患者様ご自身が1〜2週間ごとに交換するため、通院のたびに装置を調整してもらう必要がありません。通いやすさを重視する方には、この差が効いてくるでしょう。

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どちらか一方に決めなくてよい場合

どっちかという問いには、どちらでもないという答えもあります。治療の段階によって装置を使い分ける進め方があるからです。

考え方はこうです。歯を大きく動かす段階では、力を連続的にかけられる固定式の装置が向いています。一方、最後の細かい位置合わせや、動かす範囲が限られた段階では、取り外せる装置でも力不足にはなりません。そこで、前半をワイヤー矯正で進め、仕上げをマウスピース矯正に切り替えるという組み立てが選択肢に入ってきます。

治療を始めたあとで装置を変えられるのかという疑問もよく伺います。変更が可能な場合はありますが、無条件ではありません。あらためて検査と診断をやり直しますし、追加の費用が発生することもあります。始める前に見通しを共有しておくほうが、結果として負担は小さくなるでしょう。

もう1つの分かれ道が、全体矯正と部分矯正の選択です。気になっているのが前歯の一部だけであれば、部分矯正で目的を達成できる場合があります。ただし噛み合わせ全体に問題があるときに部分矯正で済ませると、見た目は整っても機能の問題が残ってしまいます。安いほうを選んだつもりが、後から全体矯正をやり直すことになりかねません。

当院はマウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の両方に対応しており、症例に応じて進め方を検討します。どの組み立てが適しているかは、精密検査の結果を見たうえでご提案します。

どっちを選んでも変わらないことと後悔しやすい決め方

装置が違っても変わらないことがあります。矯正前に口の中を整えること、通院を続けること、装置の使い方を守ること、動かしたあとに保定することの4つは、どちらを選んでも必要です。

虫歯や歯周病があれば、矯正より先に治療します。歯ぐきに炎症がある状態で歯を動かすと症状が悪化しやすいため、順番を入れ替えることはできません。装置が入ってからでは治療しにくい場所もありますから、開始前に口の中を整えておく意味は大きいでしょう。

通院の継続も欠かせません。間隔は装置によって変わり、マウスピース矯正は1〜2か月に1回、ワイヤー矯正は月に1回が目安です。いずれの場合も、歯が計画どおりに動いているかを確かめる機会になりますから、間隔を自己判断で空けないようにしてください。

装置の使い方を守ることも共通します。マウスピース矯正では装着時間が足りないと歯が計画どおりに動きませんし、ワイヤー矯正でも硬い食べ物で装置が外れれば予定は遅れます。どちらを選んでも、日々の使い方が結果に反映されると考えておきましょう。

保定も装置を問わず必要です。動かした歯は元の位置に戻ろうとする性質があり、保定装置で維持しなければ後戻りが起こります。矯正が終わった時点がゴールではなく、そこから保定の期間が続くという前提で計画を立ててください。当院では治療終了後、3か月から6か月ごとの間隔で経過を確認しています。

後悔につながりやすいのは、決め方の順序を飛ばした場合です。精密検査を受けないまま装置を決めてしまった、費用の安さだけで部分矯正を選んでしまった、自己管理が苦手なのに取り外し式を選んでしまったといった経過があります。矯正はやめたほうがいい、やっても意味ないという声の多くは、装置そのものではなく、この段階のずれから生まれたものです。

なお、歯科医師が介在しないまま販売されるマウスピース型の製品には注意が必要です。公益社団法人 日本矯正歯科学会は、患者自身の独自の判断でこうした製品を使用して歯の移動を行うことは歯科医学的にも非常に危険であるとして、明確に避けるよう求めています。安さや手軽さを訴える情報に触れたときは、診察と検査を経ているかどうかを確かめてください。

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よくある質問

装置によって矯正期間は変わりますか

症例によって変わるため、装置だけでは決まりません。当院のマウスピース矯正の場合、軽度で4〜7か月、中等度で7か月から1年半、重度で2〜3年が目安です。動かす距離が長い症例や抜歯を伴う症例では、固定式のほうが計画を立てやすいこともあります。

治療の途中で装置を変えられますか

可能な場合はありますが、あらためて検査と診断をやり直すことになり、追加の費用が発生する場合もあるでしょう。始める前に、想定される経過と切り替えの可能性まで説明を受けておくことをおすすめします。

目立たない矯正はマウスピース以外にもありますか

マウスピース矯正以外にも選択肢があります。ワイヤー矯正にもホワイトワイヤーがあり、当院では基本施術料1,045,000円で対応しています。目立たなさを軸にした比較は当院の別記事にまとめました。

自己管理が苦手でもマウスピース矯正を選べますか

選べないわけではありませんが、装着時間が足りないと歯が計画どおりに動きません。当院では22時間以上の装着を推奨しています。外している時間が長くなりそうだと感じるなら、その不安を検査前の相談で率直にお伝えください。

通販で買えるマウスピースを使っても大丈夫ですか

おすすめできません。日本矯正歯科学会は、歯科医師が介在しない形で販売されている製品を自己判断で使って歯を動かすことは歯科医学的にも非常に危険だとしています。診察と検査を経てから治療に入ってください。

矯正を始める前に虫歯の治療は必要ですか

先に虫歯や歯周病の治療を済ませます。炎症がある状態で歯を動かすと悪化しやすく、装置が入ったあとでは治療しにくい場所も出てきます。遠回りに見えても、結果的には安全で確実な進め方です。

どっちが向いているかのご相談は間瀬デンタルクリニックへ

どっちが向いているかは、検査を受ければかなりの部分がはっきりします。相談の段階で装置を決めてくる必要はありません。

間瀬デンタルクリニックはマウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の両方に対応しており、マウスピース矯正は一般歯科医が担当する体制です。日本矯正歯科学会認定医の長濱諒医師(昭和医科大学歯学部 歯科矯正学講座 講師)も在籍しており、症例に応じてクリアコレクトを用いた矯正治療にも対応しています。小児歯科専門医および矯正歯科認定医が在籍していますので、お子様とご一緒のご相談も承ります。

相談の入口は次のとおりです。マウスピース矯正の簡易診査は無料、ワイヤー矯正を含む矯正相談は1,100円で受けられます。精密な検査に進む場合は、マウスピース矯正の精密診査が33,000円、ワイヤー矯正の資料作成と診断結果が44,000円です。診療は月曜から土曜の8時45分から17時45分まで受け付けており、小さなお子様を連れての通院には託児室をご利用いただけます。

装置選びで迷っている段階でも構いません。カウンセリングでは、トリートメントコーディネーターの研修を受けた専任カウンセラーが治療方針のすり合わせを担当しますので、気になっていることをそのままお話しください。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本矯正歯科学会「ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」(第二版 2022年7月15日、第一版 2019年6月5日) https://www.jos.gr.jp/4348
  2. 公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」 https://www.jos.gr.jp/about
  3. 公益社団法人 日本矯正歯科学会「診療ガイドライン」(アライナー型矯正装置による治療指針を公開) https://www.jos.gr.jp/guideline