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小学生になったら歯科で相談すべき?
小児矯正の相談や開始時期のタイミングについて

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乳歯が生えそろう3歳前後、保護者の方が虫歯の次に気になるのが子どもの歯並びです。子どもの歯列矯正というと「子どもが嫌がる」「親の管理が面倒」などネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。しかし、小児矯正には成人矯正にはない、この時期ならではの大きなメリットがあります。

ここでは小児矯正で歯科医院に相談するタイミングや、子どものうちに治療を始めるメリットなどをご紹介していきましょう。

小児矯正ってどういう矯正?

小児矯正とは

小児矯正は永久歯が生える前の乳歯列期、または乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う子どものための歯列矯正です。この時期の子どもはあごの骨も発育途中であるため、あごの位置や形、大きさのバランスを整えるなど成長を活かした治療が可能になります。これにより歯並びだけでなく、骨格や輪郭も理想的な形に導けるのが小児矯正の大きな特徴です。

1期治療と2期治療

小児矯正は治療する年齢や時期によって、「1期治療」と「2期治療」の大きく2つに分類されます。

1期治療

1期治療は永久歯が生えそろう前(混合歯列期)に行う歯列矯正で、あごの大きさや骨格のバランスを整えることを主な目的としています。骨がまだ柔らかい時期なので、骨格が原因となる受け口(下顎前突)、出っ歯(上顎前突)の治療や予防ができるのが特徴です。また、永久歯がキレイに並ぶスペースを確保する治療も行えるため、永久歯を抜歯することなく歯並びを整えられる可能性が高くなります。

2期治療

2期治療は永久歯がすべて生えそろった歯列に対して行う治療で、治療内容や使用する装置は成人矯正とほぼ同じです。小児矯正では一般に、1期治療で永久歯が生える土台をつくり、2期治療で最終仕上げとして歯並びをキレイに整えていきます。なお、1期治療で十分な効果が得られたケースについては、2期治療を行わない場合もあります。

小児矯正はいつ相談すればいいの?

ここでは小児矯正の相談のタイミングについて解説していきましょう。

小学校入学(6歳前後)を目安に一度ご相談を

小児矯正をはじめるタイミングや開始時期は、子どもの歯並びの状態や症状の程度によって大きく異なります。一方で、子どもの成長を活かした治療(1期治療)ができる時期は限られます。したがって、お子様の歯並びが気になる場合は少なくとも6~7歳までに一度受診し、歯列矯正の必要性や治療開始時期などを相談しておきましょう。

「3歳児健診」「学校検診」で指摘を受けたらすぐに受診

保護者がとくに気にならない場合でも、3歳児健診や学校検診でお子様の歯並びやかみ合わせについて何か指摘されたら、そのままにせず歯科医院を受診しましょう。歯並びやかみ合わせは子どもの時期よりも、大人になってからのほうが心理面や健康面に大きな影響を及ぼします。子どものうちに歯列矯正で歯並びを整えておくことは、大人になってから何ものにも代えがたい財産になることは間違いありません。

小児矯正は適切な時期に始めることが大事

小児矯正は適切な時期に治療を始めると、次のようなメリットがあります。

あごの大きさや形を調整できる

発育途中にある子どもの場合は、あごの骨の成長をコントロールしながら理想的な形や大きさに導くことができます。このような治療は子どもの成長期にしか行えず、受け口や出っ歯といった骨格的な問題もこの時期であれば自然に改善できる可能性が高くなります。

歯が動きやすい

子どものあごの骨はまだ柔らかいため、弱い力で歯を動かすことができます。歯にかける力が緩やかなため、痛みも少ないのがメリットです。

永久歯を抜かずに治療できる

小児矯正(1期治療)は将来生えてくる永久歯に合わせて、あごを広げたり形を整えたりできます。これにより、永久歯を抜かずに歯並びが整えられる可能性が高くなります。

正しい発音や呼吸が身につく

子どもの歯並びは発音や呼吸にも影響を及ぼしやすく、歯並びが原因で発音が悪くなったり、「口呼吸」になったりすることも少なくありません。小児矯正により早い段階で歯並びを整えておけば、正しい発音や呼吸法が身に付きやすくなります。

歯並びが悪くなるクセや習慣を改善できる

小児矯正ではあごの成長のコントロールにくわえ、口呼吸や舌癖など、歯並びを悪くする習慣やクセの改善もあわせて行います。これらのクセや習慣を早期に改善しておくことで治療後の後戻りが少ないほか、大人になってから歯並びが悪くなるリスクも軽減できます。

将来の虫歯・歯周病リスクを軽減できる

子どものうちに歯並びを整えておくと、大人になってからの虫歯・歯周病のリスクを減らすことができます。

まとめ

歯列矯正は大人でも始めることができますが、あごの成長が見込めない成人矯正は歯を並べるスペースを確保するために、抜歯をするケースも少なくありません。また、重度の受け口や出っ歯のケースでは、骨格の改善に外科手術が必要になる場合もあります。小児矯正はこのような将来にかかる治療の負担を減らすうえでも有効な手段です。お子様の歯並びで気になることがあったら、いつでもお気軽に当院までご相談ください。