インプラント治療に年齢制限はある?
「未成年」「高齢者」で注意したいポイントとは?
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ここではインプラントの年齢制限について、治療が受けられる年齢や注意点などを詳しくご紹介していきましょう。
インプラント治療の年齢制限について
インプラントは何らかの原因で自分の歯を失った際に、代わりの歯を補う治療法の1つです。「フィクスチャー(人工歯根)」「アバットメント」「人工歯(上部構造)」の3つのパーツから成り、フィクスチャーをあごの骨の中に結合させ、その上部に人工歯を連結していきます。
インプラント治療はフィクスチャーをあごの骨に埋め込む外科手術をともなうことから、治療を受ける場合は一定の条件を満たす必要があります。以下にその条件についてご紹介していきましょう。
インプラント治療の年齢制限
インプラント治療で「年齢」以外に条件となるもの
インプラント治療は年齢のほかに、以下の条件を満たす方が治療の対象となります。
骨の状態
あごの骨と直接結合させるインプラントは、骨に十分な厚みと幅があることや、骨密度が正常であることが治療できる条件になります。この条件を満たさない場合は、「骨造成」という骨を増やす処置で治療が可能になるケースもあります。
持病
高血圧や糖尿病、不整脈などの持病があっても、病状のコントロールが良好であれば基本的にインプラント治療は可能です。ただ、コントロールができていない(血糖値が高い、血圧が不安定など)場合は、治療が受けられない可能性が高くなります。実際の治療の可否については、主治医と相談のうえ決定していきます。
未成年でもインプラント治療は受けられる?
その理由は、あごの骨がまだ成長段階にある未成年がインプラント治療を行った場合、その成長がインプラント治療の結果に不具合をもたらす可能性があるためです。例えば、あごが未発達の段階でインプラントを埋入した場合、治療後のあごの成長によってインプラントの位置やかみ合わせがズレてしまう可能性があります。
一般に男性は22歳前後、女性は20歳前後にあごの成長が止まるとされていますが、子どもの成長は個人差が大きく、治療に適した年齢も個々で異なります。未成年の方がインプラントを希望される場合は、18歳を超えたあたりで一度歯科医院の詳しい検査を受けて、治療の可否について歯科医に相談してみましょう。
高齢者でもインプラント治療は受けられる?
インプラント治療に年齢の上限はなく、高齢者でもインプラント治療を受けることは可能です。ただし、外科手術にはリスクをともないますので、以下の注意点をよく理解したうえで治療を検討していきましょう。
高齢者がインプラント治療を受ける際の注意点
高齢者がインプラント治療を受ける際は、以下の点に注意が必要です。
持病のコントロール
高齢者の多くは、何らかの持病(高血圧・糖尿病・狭心症など)を抱えています。持病があっても基本的にインプラント治療は可能ですが、病状がきちんとコントロールされていることが治療の条件です。主治医の指示を守りながら、ご自身の病気の管理をしっかり行うようにしましょう。
口内を清潔に保つ
インプラントの外科手術では、術後の傷口に細菌が感染すると腫れや痛みが長引くほか、インプラントが骨にうまく定着しないおそれがあります。とくにご高齢の方は若い方に比べて免疫力も弱くなっていることから、術後の感染には細心の注意が必要です。治療の予後を良好にするためにも、これまで以上にセルフケアを徹底しましょう。
高齢者のインプラント治療のメリット
高齢者のインプラント治療の最大のメリットは、自分の歯があった時と同程度の噛む力(咬合力)を回復できる点です。高齢者の場合は噛む力の衰えが低栄養を招き、それが身体的な衰えや全身の病気の引き金になることも少なくありません。したがって、インプラントで噛む力を回復し、食事を美味しく楽しむことは健康寿命の延伸にもつながるでしょう。さらに、インプラント治療で咬合力が回復すると、認知機能や社会活動にも良い効果をもたらします。
まとめ
インプラントは18歳以上を対象にした治療で、人によっては治療開始が20歳以降になることもあります。一方で、年齢に上限はなく、成人であれば基本的に誰でも治療を受けることが可能です。ただし、外科手術をともなうインプラント治療は年齢以外にも治療を受けられる基準があるため、ご自身が適応かどうかあらかじめ担当歯科医によく確認しておきましょう。