No,3 秋にかかりやすい小児疾患
託児コラム
秋に子どもがかかりやすい病気①RSウイルス感染症
RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症で、2歳までにほぼ全員がかかり生後6ヶ月未満の子どもが感染すると呼吸器症状が悪化しやすく、場合によっては入院治療が必要になることもあります。
RSウイルスの症状
主な症状は発熱や鼻水、咳といった風邪とよく似たものです。ほとんどの場合1週間ほどで自然に治りますが、初めて感染したときには細気管支炎や肺炎を合併して重症化することもあり、慎重に経過を観察する必要があり2回目以降の感染では、症状が軽くなるのが一般的です。
RSウイルスの潜伏期間4~6日
RSウイルスの感染経路
主な感染経路は、飛沫感染と、ウイルスが付着した手やものを介して感染する接触感染です。症状が軽い場合はRSウイルスの感染に気付かない事もあります。
RSウイルスの予防方法
予防に有効なワクチンはありません。マスクの着用や手洗いうがいなど、基本的な感染症対策を行いアルコールや塩素系消毒剤での消毒も効果的です。
RSウイルスの治療方法
特別な治療方法はないので、対症療法を行います。安静にしながらこまめに水分補給をし、回復するのを待ちましょう。
秋に子どもがかかりやすい病気②マイコプラズマ肺炎
「肺炎マイコプラズマ」という細菌によって引き起こされる呼吸器の感染症です。1年を通して感染がみられますが、とくに秋〜冬にかけて流行しやすい傾向があります。
マイコプラズマ肺炎の症状
発熱や頭痛、全身倦怠感などがあらわれその後、3~5日ほど経ってから咳が出始めます。咳は時間が経つにつれてだんだん強くなり、解熱してから3~4週間ほど続くこともあり中耳炎や発疹を伴うこともあります。
子どもは軽症のまま治ることが多いとされていますが、まれに肺炎を起こして重症化することもあるため、注意して経過観察が必要です。
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間2~3週間
マイコプラズマ肺炎の感染経路
主な感染経路は、飛沫感染です。家庭内感染や再感染も起こりますが、感染力はそれほど強くありません。
マイコプラズマ肺炎の予防方法
有効なワクチンはありません。飛沫による感染を防ぐため、マスクを着用するなどの対策を行いましょう。
マイコプラズマ肺炎の治療方法
抗菌薬で治療を行います。最近は抗菌薬が効かない「耐性菌」が増えているため、最初に処方された抗菌薬が効かない場合はほかの種類の抗菌薬を服用するなどして治療を行います。
秋に子どもがかかりやすい病気③ノロウイルス感染症
ノロウイルスによって引き起こされる腸管の感染症です。感染力が強いため、何度もかかったり、大人にもうつったりすることがあります。
ノロウイルス感染症の症状
主な症状は嘔吐と下痢です。1~3日ほどで自然に治るケースがほとんどですが、嘔吐と下痢を繰り返すことにより脱水を起こすこともあります。
ノロウイルス感染症の潜伏期間1~2日
ノロウイルス感染症の感染経路
主な感染経路は、経口感染と、飛沫感染と、接触感染です。また嘔吐物が乾燥してウイルスが空気中に浮遊し、そのウイルスを吸い込むことにより感染することもあります。
ノロウイルス感染症の予防方法
予防に有効なワクチンはありません。飛沫感染や接触感染を防ぐために、マスクを着用して石鹸で手を洗うようにしましょう。
また嘔吐物に大量のウイルスが含まれているため、嘔吐物を処理するときにはマスクだけでなく手袋や使い捨てのエプロンを着用するなど、感染対策を特に入念に行うようにしましょう。便からは3週間以上ウイルスが排出されることがあるので、オムツ交換のあとの手洗いを徹底することも大切です。
ノロウイルス感染症の治療方法
特別な治療薬はないので、対症療法を行います。脱水を防ぐために水分を少量ずつこまめに与えながら、回復するのを待ちましょう。