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子供の歯に黄ばみが起こる原因は?対処法はある?

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子供の歯が黄ばむ原因とは

着色(ステイン)が沈着している

コーヒーやワインなど大人が好むものだけでなく、お茶やカレー、チョコレートなど、子供がよく口にするものにも着色のつきやすい飲食物が多くあります。
通常このような着色は、毎日しっかりと歯磨きをすることで防ぐことができます。しかし、まだ歯磨きが上手にできない年齢ではブラッシングが不十分となり、着色が起こってしまうのです。
また、保護者の方の仕上げ磨きができていても、口呼吸で歯やお口の中が乾燥している場合、着色汚れが起こりやすくなります。

永久歯への生え変わり

白い乳歯の後に生えてきた永久歯が、乳歯と比べて黄ばんでいることに驚いた方も多いのではないでしょうか?これは、歯の表面のエナメル質の下に存在する「象牙質」と呼ばれる層が関係しています。
永久歯は乳歯と比べ、黄色みがかった象牙質が厚い構造になっています。この象牙質が、半透明のエナメル質から濃く透けて見えることで、永久歯が黄ばんで見えてしまうのです。
また、一般的に日本人はエナメル質が薄く、象牙質の色がより透けて見えることも、永久歯が黄ばんで見える理由の一つとされています。

エナメル質形成不全

エナメル質形成不全は、生まれつきエナメル質がうまく形成されないことや、乳歯の時の外傷や虫歯によるダメージが原因で、歯に変色や欠損が起こる症状です。変色は黄色、白色、茶色と様々あり、見た目は虫歯と似ています。大きな欠損がなければそのまま経過観察となりますが、通常の歯と比べると虫歯が進行しやすいため注意が必要です。

プラーク(歯垢)の付着

プラークは黄褐色〜乳白色の付着物で、細菌が集まった歯の沈着物です。通常は、歯ブラシで除去できるのですが、長く放置したものは硬く、歯石ではないものの歯科医院でなければ取れないことも少なくありません。
子供の場合は前歯だけでなく、特に磨きにくい「下の奥歯の舌側」の歯ぐきの際に長期間沈着していることが多く、そのほとんどが歯ぐきの腫れを起こします。

虫歯の影響

初期の虫歯は、エナメル質が脱灰した白い斑点として歯の表面に現れます。しかし、この白濁の状態から茶色く変化する前に、虫歯が黄色になることがあるのです。
エナメル質形成不全ではない場合、このように歯の部分的な変色は虫歯の可能性が高くなるため、歯科医院への早めの受診をおすすめいたします。
また、歯を強打した後に歯が黄褐色〜暗褐色に変化した場合、歯の神経が壊死している可能性があります。歯に外傷を受けたあとは、痛みがなくても必ず歯科医院を受診しましょう。

黄ばみを改善するための対処法

歯磨きや仕上げ磨きの徹底

着色だけでなく、虫歯予防の観点からも仕上げ磨きは永久歯に生え変わるまで必要だとされています。
しかし、年齢的な問題から嫌がられることも多いため、仕上げ磨きができている間に子供自身がしっかりと歯を磨けるように練習していくことが重要です。また、歯磨きがすぐにできない外出先では、うがいをするだけでも着色の予防になりますよ。

セルフケア用品の見直し

フッ素が配合されていないものや研磨剤の入っていないものなど、オーガニックにこだわった歯磨き粉を使ってはいませんか?それらは歯の形成が活発な子供に使用すると、虫歯や着色を引き起こす可能性があります。
フッ素は歯の強化を、研磨剤は着色除去の効果を持ち、これらは市販品に配合されていることからも分かるように、安全性と科学的根拠が確立された成分です。
歯磨き粉の使用量やフッ素の濃度など、子供のセルフケアでわからないことがあれば、まずは歯科医院でご相談することをおすすめします。

口呼吸の改善

口呼吸は着色がつきやすくなるだけでなく、顔貌の形成や虫歯、歯並びにも悪影響を与えるリスクファクターです。
口呼吸は大人になると完全になおすことが難しくなるため、できる限り子供のうちに改善することが理想的です。鼻詰まりで口呼吸ができない場合には、まず耳鼻科を受診して原因を特定しましょう。

歯科医院でできる対処法

歯磨き指導

学校でも歯磨き教室は実施されますが、マンツーマンのレッスンが行われることはほとんどありません。
歯科医院での歯磨き指導は、歯の形や歯並び、子供自身の性格を考慮した歯磨き方法を、お口の専門家である歯科衛生士と直接練習することが可能です。もちろん仕上げ磨きのレクチャーも行いますので、保護者の方も一緒に指導を受けることができます。

スケーリング(歯石取り)

歯石や硬くなったプラークの除去には、歯周病治療として歯科医院で行う「歯石取り(スケーリング)」が効果的です。硬い沈着物は歯ブラシでは取れないので、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使用して取り除きます。
痛みはなく歯を傷つけないため、安心して処置を受けることができます。

高濃度のフッ素塗布

乳歯や生えたばかりの永久歯は柔らかく、虫歯になりやすい状態です。歯科医院で塗布するフッ素は、家庭用歯磨き粉に入っているフッ素よりも高濃度で、歯を強化する効果が持続します。フッ素を取り込みやすいこの時期に、定期的なフッ素塗布を行うことで、虫歯になりにくい強い歯を目指しましょう。

歯のクリーニング

歯の表面の着色やプラークは、「PMTC」という歯のクリーニングによって除去することが可能です。
クリーニングは沈着物を綺麗に除去できるだけでなく、歯面をツヤツヤにして着色やプラークの再付着を防ぐ効果があります。虫歯予防にも効果のあるクリーニングは、フッ素の塗布とともに定期的に受けることをおすすめします。

まとめ

子供の歯の黄ばみの多くは、着色や永久歯の特性によるものですが、虫歯やその原因となるプラークから起こっていることも珍しくありません。
お口の中の環境が不安定な生え変わりの時期は、専門家の介入とセルフケアを身につけるための習慣化が重要です。現在の着色や虫歯だけでなく、将来自分で歯を守っていけるようになるためにも、歯磨きを練習しながら定期的に歯科検診を受診しましょう。

当院ではお子様の虫歯の処置だけではなく定期検診も行っています。なかなか一回通っただけでは歯磨きがすごく上手になるということは難しいです。お子様の年齢や性格に寄り添った歯磨き指導を行ったり、着色がある子は着色除去も行っています。

歯医者さんが怖くて嫌なところにならないように衛生士の治療で少しずつ慣れてから着色の除去や歯石の除去などは行っています。 歯が黄色くて虫歯や着色などの心配がある保護者様が多いと思います。定期検診の際に毎回口腔内を隅々まで確認しますのでご安心ください。 着色や変色の原因はさまざまですので、お口の中を見させていただいた後にご相談させてください。