かつての矯正治療は歯の表面にブラケットやワイヤーを装着する「ワイヤー矯正」が主流でしたが、近年はこれに並び「マウスピース矯正」も人気を博しています。
ここではマウスピース矯正とはどのような治療法か、その特長や従来の治療（ワイヤー矯正）と比較したメリットを解説していきます。後半では、当院が採用しているマウスピース矯正「インビザライン」の特長についてもご紹介しますので、ぜひ今後の治療の参考にしてください。

マウスピース矯正とは、従来の矯正治療にあるブラケットやワイヤーは用いずに、プラスチック製のマウスピースの着脱で歯並びを整える治療法です。具体的には、歯の動きに応じて複数のマウスピースを作製し、それを1～2週間おきに新しいものと交換していきます。
新しいマウスピースは1枚1枚が理想的な歯並びに近づくように設計されており、元の歯並びとのズレを利用して歯に一定の力が加わるようになっています。1枚のマウスピースで動く歯の移動距離は約0.25㎜、1か月に動かせる歯の移動距離は最大で約1㎜です。歯に緩やかな力をかけながら動かしていくので、痛みが少ないのもマウスピース矯正の特長といえます。
一方で、マウスピースは1日20時間以上の装着が必要で、食事や歯磨きの際は外せるものの、それ以外の時間は装着するのが原則です。マウスピースの装着や交換は患者様自身の管理にゆだねられるため、歯科医の指示を守らないと予定通りに治療が進まなくなるおそれがあります。さらに、マウスピース矯正は治療できる歯並びが限られるため、最初の歯並びの状態によってはマウスピース矯正では治せない場合もあるため注意が必要です。

ここでは、マウスピース矯正のメリットを従来の治療（ワイヤー矯正）と比較しながら解説していきましょう。

治療中に装置が目立たない

ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーが歯の表面に取り付けられるため、治療中は装置が目立ってしまい、周囲の人に矯正中であることがわかってしまいます。しかし、マウスピース矯正は装置が透明なため、着けていても目立ちにくいのがメリットです。そのため、人に接する機会の多い職業（営業職・接客業など）の方に人気があります。

自分で装置の取り外しができる

ワイヤー矯正は装置を一度装着すると、治療が終わるまで外すことができません。それに対して、マウスピース矯正は患者様自身で装置を取り外すことができます。食事や歯磨きの際は外せるので、「食べ物が挟まる」「歯が磨きづらい」といった装置によるわずらわしさから解放されます。

違和感や痛みが少ない

ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーが頬や唇に引っかかったり、ときに粘膜を傷つけたりして痛みをともなうことがあります。しかし、マウスピース矯正で使用する装置は厚さが0.5㎜程度と薄いため、装着時の違和感や痛みもほとんどありません。

金属アレルギーの方でも安心

ワイヤー矯正で使用する装置には金属が含まれるため、稀ではありますが金属アレルギーの方に使用できない場合もあります。これに対し、マウスピース矯正で使用する装置はプラスチック製で金属をいっさい含まないため、金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられます。

歯並びによっては治療できない可能性がある

ワイヤー矯正は応用範囲が広く、どんな歯並びの方でも使用することが可能です。しかし、マウスピース矯正は適応できるケースが限られるため、歯並びの状態によっては装置を選べない可能性もあります。

自己管理が必要

ワイヤー矯正は装置の装着や調整を歯科医が行うのに対し、マウスピース矯正はあらかじめ渡されたマウスピースを患者様自身で装着・交換します。治療の多くが患者様の管理にゆだねられるため、それを面倒だと感じる方には不向きな治療といえるでしょう。

近年、国内では様々なブランドのマウスピース矯正が提供されています。当院では数あるブランドの中から、国内外で人気の高い「インビザライン」を採用しています。
ここではインビザラインの特長やメリットなどをご紹介していきましょう。

インビザラインとは

インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正です。世界中で利用者が多く、日本でも多くの歯科医院が採用しています。「マウスピース矯正＝インビザライン」というイメージをお持ちの方も少なくありません。

治療実績が豊富で信頼度が高い

インビザラインは世界で高いシェアを誇るマウスピース矯正のブランドで、世界中で1,400万人以上の方が治療を受けています。豊富な治療実績は国内外で評価されており、100か国以上の歯科医から支持される信頼度の高いマウスピース矯正です。