インプラント治療の流れを完全解説|初診から術後ケアまでの全工程
インプラントブログ

インプラント治療を始める前に知っておきたいこと
歯を失ってしまった方にとって、「どのように治療すればいいのか」という悩みは深刻です。
入れ歯やブリッジといった方法もありますが、近年では**インプラント治療**が注目を集めています。インプラントは、失った歯の機能を取り戻すだけでなく、見た目も自然で、周囲の健康な歯に負担をかけない治療法として多くの方に選ばれています。
しかし、「手術が必要」「期間が長い」「費用が高額」といったイメージから、治療に踏み切れない方も少なくありません。実際、インプラント治療は外科的な処置を伴うため、事前の検査や治療計画が非常に重要です。また、治療後のメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクもあるため、正しい知識が欠かせません。
本記事では、インプラント治療の全体的な流れを、初診から術後ケアまで詳しく解説します。治療にかかる期間や費用、手術の具体的なステップ、そして術後のトラブルを防ぐための対策をお伝えします。
インプラント治療とは?基本構造と特徴
インプラント治療とは、失った歯の部分に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
基本的には三つのパーツから構成されています。まず、顎の骨に埋め込む**インプラント体**(人工歯根)があります。この部分は主にチタンやチタン合金で作られており、直径は約3〜5mm、長さは6〜18mm程度です。次に、インプラント体の上に取り付ける**アバットメント**(支台部)があり、これが人工歯とインプラント体を連結する役割を果たします。そして最後に、実際に見える部分となる**上部構造**(人工歯)が装着されます。上部構造の素材には、レジン(プラスチック)、セラミック(陶器)、セラミックと金属を組み合わせたハイブリッドセラミック、金合金などが使用されます。
インプラントの最大の特徴は、天然歯に近い機能と見た目を取り戻せることです。従来の入れ歯やブリッジと異なり、周囲の健康な歯を削る必要がなく、独立して機能します。ブリッジのように隣の歯に負担をかけることもなく、入れ歯のようにズレたり外れたりする心配もありません。そのため、食事や会話の際の違和感が少なく、より自然な感覚を得られるのです。
また、歯を失ったままにしておくと、咬み合わせのバランスが崩れたり、顎の骨が痩せていく原因になりますが、インプラントを行うことでこういったリスクを回避できます。特に、将来的な健康や見た目を重視する方にとっては、非常に有効な治療法といえるでしょう。
インプラント治療のメリットとデメリット
インプラント治療には多くのメリットがあります。まず、**咀嚼機能の回復**が挙げられます。入れ歯に比べてしっかりと噛めるため、食事の楽しみを取り戻すことができます。また、**審美性の高さ**も大きな魅力です。天然歯にそっくりな見た目を実現できるため、笑顔に自信を持てるようになります。さらに、**周囲の歯を守る**点も重要です。ブリッジのように健康な歯を削る必要がないため、長期的に見て口腔内全体の健康を維持しやすくなります。
一方で、デメリットも存在します。最も大きな課題は**費用**です。保険が適用されない自由診療のため、1本あたり40万円〜50万円程度かかることが一般的です。また、**治療期間の長さ**も考慮すべき点です。初診から最終的な人工歯の装着まで、数ヶ月から半年以上かかることが多いです。さらに、**外科手術が必要**であるため、全身疾患がある方や骨の状態が良くない方は治療を受けられない場合もあります。治療後も**定期的なメンテナンス**が欠かせません。
初診からカウンセリングまでの流れ

インプラント治療の第一歩は、初診とカウンセリングです。
初診では、まず口腔内の状態を詳しく調べます。現在の歯の状況、歯周病の有無、顎の骨の状態などを確認し、インプラント治療が適切かどうかを判断します。この段階で、患者様の全身の健康状態や既往歴についてもお聞きします。糖尿病や骨粗鬆症などの疾患がある場合、治療計画に影響を与えることがあるためです。
カウンセリングでは、患者様の期待や懸念を理解することを重要視しています。「どのような見た目にしたいか」「どれくらいの期間で治療を終えたいか」「費用面での不安はあるか」といった点を丁寧にお聞きします。当院では、「トリートメントコーディネーター」の研修を受けた専任カウンセラーが、患者様お一人おひとりのご希望や健康状態、通院状況などに寄り添い、より良い歯科医療を提供できるようサポートいたします。
精密検査とCT撮影の重要性
カウンセリングの後は、精密検査に進みます。
精密検査では、レントゲン撮影やCTスキャンを行い、顎の骨の量や質、周囲の神経や血管の位置を詳細に把握します。CT撮影により、三次元的に骨の状態を確認できるため、インプラントを埋め込む位置や角度を正確に計画することが可能になります。骨の厚みや形状、神経の位置まで正確に把握できることで、手術の成功率と安全性が大きく高まるのです。
また、口腔内の細菌の状態もチェックします。歯周病がある場合、インプラント治療の成功率が下がるため、事前に歯周病治療を行う必要があります。当院では、日本歯周病学会認定医・専門医・指導医や同認定衛生士が在籍しており、重症例にも対応できる体制を整えています。
検査結果をもとに、治療計画を立てます。インプラントの種類、埋入位置、必要な追加手術(骨造成や骨増大手術など)、手術の回数、予想される治療期間などを詳しくご説明します。また、治療費用の見積もりや支払いオプションについてもお伝えします。
インプラント手術の具体的なステップ
インプラント手術は、通常「二回法」と呼ばれる方法で行われます。
これは、インプラント体の埋入手術とアバットメントの取り付け手術という、少なくとも2つの手術を伴う方法です。それぞれの手術の間には、骨とインプラントの結合を待つ期間が必要になります。
一次手術(インプラント体の埋入)
一次手術では、顎の骨にインプラント体を埋め込みます。
手術前には、口腔内のクリーニングと麻酔を行います。インプラント埋入手術は通常、1ヶ所につき約30分程度で完了しますが、上顎洞挙上術(サイナスリフト、ソケットリフト)などの追加処置が必要な場合は、それ以上の時間を要することがあります。
手術では、局所麻酔の下、顎骨に小さな穴を開け、インプラント体を埋め込みます。その後、埋め込んだインプラントが顎骨と結合するのを待つため、歯茎を縫合して手術部位を保護します。
治癒期間(オッセオインテグレーション)
一次手術後は、インプラント体が顎骨と完全に統合するための待機期間が必要です。
このプロセスは「オッセオインテグレーション」と呼ばれ、通常3ヶ月から6ヶ月程度かかります。この期間は、患者様の骨の質や全身の健康状態によって異なります。骨量が不足している場合や骨造成を行った場合は、より長い期間が必要になることもありますが、骨の質が良好であれば表面性状に特別に早く骨結合を促すための処理を施されたタイプでは、2ヶ月以内に骨結合を得ることが可能です。
術後の抜糸は、手術から約1〜2週間後に行います。
二次手術(アバットメントの装着)
インプラント体と骨の結合が確認できたら、二次手術に進みます。
二次手術では、インプラントの頭部を露出させるため、歯茎を再度切開します。そして、インプラント体の上にアバットメント(支台部)を取り付けます。この手術は比較的短時間で終わり、一次手術ほどの負担はありません。アバットメント装着後、歯茎が治癒するまで数週間待ちます。
歯茎の治癒後、最終的な上部構造(人工歯)の型取りを行います。患者様の口腔内の状況に合わせて人工歯を作製し、装着します。上部構造の素材には、セラミックやジルコニアなど、審美性と耐久性に優れたものが使用することが多いです。
治療期間と費用の目安
インプラント治療にかかる期間は、患者様の口腔内の状態や治療計画によって大きく異なります。
一般的には、初診から最終的な人工歯の装着までの全プロセスには数ヶ月から半年以上かかることが多く、骨造成など追加の処置が必要な場合は、さらに数ヶ月延長されることがあります。治療の各段階と期間の目安は以下の通りです。
- カウンセリング・検査:1〜2回
- インプラント埋入手術:1日(局所麻酔で実施、数時間で帰宅可能)
- 治癒期間:2〜6カ月(骨との結合期間、仮歯装着の場合あり)
- アバットメント・人工歯装着:1〜2回(精密な型取りと装着)
- 定期メンテナンス:継続(長期安定のため、定期的な来院が必要)
費用に関して、インプラント治療は保険が適用されない自由診療のため、1本あたり40万円〜50万円が相場とされています。総費用には、インプラント本体の費用だけでなく、事前の検査費、手術費、上部構造の費用なども含まれます。骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに費用がかかることもあります。
当院では、患者様のご要望を十分にお聞きし、ご希望に添えるよう治療を進めてまいります。費用面でのご不安がある方には、お支払い方法についてもご相談いただけます。
術後ケアとメンテナンスの重要性

インプラント治療は、手術が終わったら完了というわけではありません。
術後のケアとメンテナンスが、インプラントを長持ちさせるための鍵となります。手術後は腫れや痛みが生じる場合があり、数日は無理な運動や飲酒、喫煙を控える必要があります。また、手術部位を清潔に保つため、丁寧なブラッシングと定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
インプラント周囲炎のリスクと予防
インプラント治療後に最も注意すべきなのが、**インプラント周囲炎**です。
これは、インプラント周囲の歯茎や骨に炎症が起こる状態で、放置すると骨が溶けてインプラントが脱落する原因になります。インプラント周囲炎の主な原因は、プラーク(歯垢)の蓄積です。天然歯と同様に、インプラントも日々のケアが不十分だと細菌が繁殖し、炎症を引き起こします。
予防のためには、毎日の丁寧なブラッシングが基本です。インプラント周囲は特に汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して隅々まで清潔に保つことが大切です。また、定期的な歯科医院でのメンテナンスも欠かせません。専門的なクリーニングにより、自分では取り切れない汚れを除去し、インプラント周囲の健康状態をチェックします。
当院では、常勤歯科衛生士が31名在籍し、患者担当制で対応いたします。患者様お一人おひとりの口腔内の状態に合わせたメンテナンスプランを提案し、長期的にサポートいたします。
定期検診の頻度と内容
インプラント治療後の定期検診は、通常3〜6ヶ月に1回のペースで行います。
検診では、インプラント周囲の歯茎の状態、咬み合わせのチェック、レントゲン撮影による骨の状態確認などを行います。また、プラークや歯石を除去し、口腔内を清潔に保ちます。定期検診を継続することで、問題を早期に発見し、適切な処置ができるため、インプラントを長く使い続けることが可能になります。
インプラントの成功率は高く、10年以上機能し続ける確率は90%以上とされています。しかし、これは正しいケアとメンテナンスを継続した場合の数字です。日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠らないことが、インプラントを長持ちさせる秘訣なのです。
まとめ
インプラント治療は、失った歯の機能と見た目を取り戻せる優れた治療法です。
初診からカウンセリング、精密検査、一次手術、治癒期間、二次手術、そして最終的な人工歯の装着まで、各ステップで丁寧な計画と実施が求められます。治療期間は数ヶ月から半年以上かかることが多く、費用も1本あたり40万円〜50万円程度と高額ですが、その価値は十分にあると考えられます。
何より重要なのは、治療後のケアとメンテナンスです。日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを継続することで、インプラントを長く使い続けることができます。当院では、日本歯周病学会専門医や同認定衛生士が在籍し、患者様お一人おひとりに合わせた治療とメンテナンスを提供しています。
インプラント治療に関するご相談やご不安がある方は、ぜひ一度当院にお越しください。患者様に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
詳細はこちら:歯周病 インプラント 間瀬デンタル