適用されるケース

部分矯正は、軽度の歯並びの悩みを解決する治療法です。前歯のガタガタ、出っ歯、正中のズレ、すきっ歯など、気になる部分をピンポイントで改善できます。

• 前歯のちょっとしたガタつきが気になる
• 前歯が出ているのを治したい
• 前歯の真ん中がズレている
• 歯間に隙間があり、気になる
• 短期間で歯並びを改善したい
• 費用を抑えたい

部分矯正のメリット・デメリット

部分矯正は全体の歯並びを動かすよりも治療期間が短く、費用も抑えられるのがメリットですが、適応できる症例が限られます。歯並びの状態によっては部分矯正での改善が難しい場合もあるため、担当歯科医によく相談しましょう。

使用する装置

部分矯正で使用する装置には、「ワイヤー矯正（ブラケット＋ワイヤー）」と「マウスピース矯正」の大きく２種類があります。

保定不足

矯正治療後の後戻りの原因で最も多いのは、「リテーナーをきちんと装着していない」「保定期間が短い」などに代表される保定不足です。
矯正治療では歯を理想的な位置に並べ終わったあと、動かした歯を固定する処置を行います。これを「保定（ほてい）」といい、この処置の期間中は「リテーナー」という装置を決められた時間、一定の期間装着していきます。しかし、リテーナーの装着時間が短かったり、自己判断で勝手に外したりすると、治療直後で不安定な歯には元の位置に戻ろうとする力が働き、後戻りを起こしてしまいます。

歯並びを悪くするクセ（悪習癖）が改善されていない

矯正治療後に生じる後戻りの原因では、歯並びに悪影響を及ぼすクセ（悪習癖）の存在があります。具体的なものでは、「舌癖（舌で前歯を押す・舌を噛むなど）」や「口呼吸（ポカン口）」「寝るときの姿勢（うつぶせ寝・横向き寝）」などが悪習癖の代表例です。このようなクセや習慣は歯並びを悪くする要因に挙げられ、矯正治療中は歯を動かすのと並行して、これらの習癖の改善も行います。しかし、治療が終わってもこれらの悪習癖が残ってしまうと、治療後しばらくして後戻りを起こしてしまいます。

親知らず

上下左右に親知らずが残っている場合、他の歯を圧迫して歯並びが悪くなることがあります。そのため、矯正治療では多くのケースで治療の前後で親知らずの抜歯を推奨しています。抜歯をしないまま治療を進めた場合、後戻りを起こす可能性が高くなるため注意が必要です。

虫歯・歯周病

矯正治療後の虫歯や歯周病も後戻りの原因になります。とくに歯周病は、進行にともなって歯の周囲にある骨が溶けていくと、歯を支えきれなくなってグラグラ揺れたり、動いたりして歯並びを悪くしてしまいます。

部分矯正で治せない歯並び

部分矯正は治療期間が短く、コストも抑えられる反面、治療できる歯並びが限られます。部分矯正で改善が難しい歯並びを無理に治すと歯並び全体にひずみが生じて、治療後にかえって歯並びが悪くなってしまうケースも実は少なくありません。部分矯正をご希望の際は自身の歯並びが適応できるケースかを矯正医によく相談しましょう。

リテーナーの再装着

「歯がほんの少し動いてしまった」など、ごく初期で症状の軽い後戻りについてはリテーナーの再装着によって歯並びをキレイな状態に戻せる場合があります。

再矯正治療

歯並びが大きくズレてしまった後戻りについては、再度矯正治療で歯並びをキレイな状態に戻していきます。どのくらい歯並びがズレたかで再治療にかかる期間や費用は異なりますが、通常は最初の治療ほど費用や期間もかからないのが一般的です。ただし、時間をおけばおくほど後戻りは進んでしまうため、できるだけ早い段階で矯正医に相談して対処していきましょう。